シヴァラートリーは、インドに数多くある祭りの一つで、シヴァ大夜祭などとも言われています。
この日は諸説ありますが、シヴァとパールヴァティーが結婚した日と言われており、シヴァを崇める人々は夜通しマントラを唱えたりします。
実際のところシヴァラートリー自体は年に1回のものではなく、毎月のようにあるものですが、その中でも最も重要な日が、毎年2月か3月に行われるシヴァラートリーです。
シヴァラートリー、シヴァ、パールヴァティー、マントラなどと言われても、インドの祭りや神話ってのはインドに行くような人間でも興味のない人間がほとんどな訳ですから、もうちょっと分かりやすくしてみましょう。
ヒンドゥー教の神様であるシヴァを福永祐一。そしてシヴァの妻であるパールヴァティーを松尾翠としましょう。
福永は記念日が大好きな人間で、毎月妻の翠に対して、何かしら適当な記念日を作り祝っていました。
はじめのうちこそ毎月喜んでいた翠でしたが、次第に何だかマンネリ化してきた感を覚えます。
そこで年に一度だけ、2月か3月の二本柳が毎年謎の勝利を収める時期に、記念日of記念日を作ることにしました。
それがシヴァラートリーです。
この日は福永が翠と一緒に記念日を祝うだけでなく、福永を崇拝する人間たちが夜通し、「オーム ナマ フクナガ」と謎のマントラを唱えます。
一部の信者はなぜか断食や不眠といった行動に出ることもあります。
また、この日は神が多くの人々を救済する日ですから、福永も一生懸命信者達を救済しようと努力します。
救済と言いますが、具体的にどんなことをするのか。
福永は自身の風呂の残り湯や血液を信者に法外な値段で提供したりするイニシエーションに努めるのです。
時には自ら騎乗停止になり、お手馬を別の若手ジョッキーに振り分けたりすることもあります。
うん。何だか全然分かりやすくならないし、福永ジョッキーのファンの方たちに怒られそうなのでやめましょう。
シヴァラートリーはヒンドゥー教の、特にシヴァ派の人間達にとってはそれはそれは重要な祭りであるのです。
それと同時に、インドの祭りにあまり関心がない旅行者にとってもビッグイベントでもあります。
それはなぜか。
バングラッシーが飲めるからであります。
バングラッシーは簡単に言うと大麻を飲むヨーグルトに混ぜたようなもので、このシヴァラートリーの日は、街の至るところでバングラッシーが振舞われます。
バングラッシー自体はいつどこでも飲めるようなものではありますが、旅行者が普段これを飲む場合は少し注意を払う必要があります。
一応マリファナですからね。
しかしシヴァラートリーの日は、このバングラッシーが半公認のような形で飲めるのです。
インド人はマリファナ大好きで、いつもマリファナばかり吸っているというイメージがあるかもしれませんが、そのような人は少数とまではいかなくても比較的マイノリティです。
マリファナ好きなインド人が50人いれば、マリファナが嫌いというインド人が50人いる、そんな感覚でしょうか。
しかし、普段は、「マリファナ!ダメ!絶対!」というインド人でも、この日はシヴァのお祭りのためか、ほとんどの人がこのバングラッシーを飲みます。
そのためバングラッシーも、マリファナ嫌いの人間のために比較的薄く作られます。
この日の夜は、街を歩くと、多くの人間がニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべており、歩いてきた青年が突然僕の友人を指差し、「アンクルジー!ケヒヒヒヒヒ!」と言って去っていったりします。
そして言われた友人もただひたすらにニヤニヤしているという、とてもハートフルな光景を眺めることが出来ます。
あ、僕はまともでしたよ。
インド人の友人達と共に祭りを楽しんだあと、宿に戻って鈴木淑子で一発抜きました。
こんなピースフルなお祭りであるシヴァラートリーが、今年は3月7日に行われます。
この時期にインドを滞在することが出来るラッキーな旅行者の皆さんは、ぜひ楽しんで下さい。
ただ、注意点もあります。
バングラッシーは濃いものであればしっかりとした緑色です。
誤って服に掛けられたりすると、フクがミドリになってしまいますよ。