2013/2014シーズンのリーディングサイアーは「MULTIDIMENSIONAL」

multidimensional


アイルランド生まれの同馬は父Danehill、母父Diesis(ネイティブダンサー系)という血統。
現役時代はRose Of Lancaster Stakes(G3)を含め5勝しているようです。

インドでの主な産駒にThe Colts Championship Stakes(G1)やThe McDowell Signature Indian Derby(G1)を勝利したALAINDAIRや、The Fillies Championship Stakes (G1) 、The Maj P K Mehra Memorial Super Mile Cup (G1) を制しているAMELIA。

なにやらお洒落なこの馬名の意味は「多次元な、多次元の」。

インド競馬を楽しむためには最低限の英語の読み書きスキルが必要となります。
競馬新聞や競馬サイトも全て英語で書かれているため、英語が出来ないとお話にならないです。
しかし、国民の識字率が73%というインドで英語の読み書きができるという事は、学校教育を受けることが出来る人間がまだまだ少ないインドにおいてそれなりの教育を受けている人たちなのです。
日本の競馬場と同じようにインドの競馬場も小汚い格好をしたおじさんたちで溢れていますが、典型的な競馬場ファッションといいますか、同じようなテロンテロンの長袖シャツを着て競馬新聞とにらめっこをしているおじさんたちも最低限の英語を使えるわけですね。

そんなハイソサエティな人間たちの社交場である競馬場を一歩出ると、道で浮浪者が死んだように眠っていたり、子供たちがバクシーシバクシーシと集まってくるカオスなインドが現れます。
競馬場で何百ルピー、何千ルピーと賭けていた人間たちは、日給数百ルピーで働くサイクルリキシャの運転手などを相手に数十ルピー程度の値段交渉を真剣に行い、小銭をくれと寄ってくる物乞いたちを「チョローバゴ」と蹴散らします。

インドを訪れたことがない方などは可哀想に思うかもしれませんが、これはインドにおいて当たり前の光景であって、リキシャの運転手も乞食も、日がな一日死んだように眠っている浮浪者も受け入れている現実なのです。

このように貧富の差が激しいインドは、誤解を恐れずに言うと金持ちと貧民とで住む世界が全く違う多次元世界なわけです。
そんなインドで多次元を意味するMULTIDIMENSIONALがリーディングを取ったのは必然の出来事だったと言えるかもしれません。